嘘の陰影
- カテゴリ:自作小説
- 2026/03/08 02:44:21
第十六章
夕飯を作り始めて数分した時、煙草を買いに行ったには遅い時間に佑真は帰って来た。…「ただいま、優美」…「お、おかえり」…「遅くなってごめんな?」…「ううん…何か用事でもあったの?」…「んー…ちょっとな…」ほんの少しの苛立ちのような雰囲気を纏っていた彼は私に…「優美、明日休み?」と尋ねて来た。…「うん」…「今日さ…元嫁に会って来たんだ…」…「…え?」私は動揺を隠せず、…「…どういう…事…?」…「知合い伝てに俺の連絡先聞いたみてーでさ…」…「今日ちょっと話してきたんだけど…」…「そうなんだ…やり直したいとか言われた?」…「あー…まぁそんな感じで…」…「明日も説得しようと思ってんだけど、優美にも来て欲しいんだよな…」…「付いてきて欲しいっつーか…優美の事紹介したくて…紹介っつーか諦めて貰う方法がこーゆー事しか思い付かなくてさ…良いか?」私の不安を払拭してくれる佑真の一つ一つの言葉に私は嬉しくなり、…「うん、分かった」…佑真から靄は出ていない…本当の事なんだろう…私は一安心しつつ、…「明日は何時頃?」と尋ねた。…「13時頃だな…もう会いたくねーよ…元嫁には…」悲しそうな顔をしている佑真に私は…「佑真…元奥さんに絶対諦めて貰おう?」そう伝え、彼を抱き締めた。…「そうだな…優美まで巻き込んじまって…ごめんな?」…「ううん…大丈夫」…「佑真、一人で良く頑張ったね…辛かったでしょ…」…「あー…うん…正直な、しんどい…」…「佑真…優しいからね…しんどいよね…」彼を抱き締めながら彼の頭を撫でた。私は作り始めていた夕飯に…「佑真?夕飯は食べれそう?」と彼へと聞くと…「あー…作ってくれてありがとな…でも今日はちょっと食えなさそうだな…」…「そっか、分かった…明日の朝にでも食べよ」と声を掛けた。…「うん…」…「飯食うよりも…優美の事…抱きてぇ…」一緒に暮らし始めて、佑真の口から初めての言葉だ。…「うん…良いよ…」緊張しながらも私は彼を受け入れる言葉を言っていた。初めての言葉に戸惑いはあったものの、佑真を受け入れる体制にはなっていた私だ。…「取り敢えず、風呂…入って来るわ」…「…うん、いってらっしゃい」佑真は大分疲れている様に見えた。…そりゃそうだよね…元奥さんにはいい思い出がないし…疲れちゃうのも当然か…私は煙草を取り出し、一息付くことにした。作り始めていた料理を片付けながら、…明日…食べれると良いけど…どうなるかな…そんな事を考えながら深く深く煙草を吸い込んだ。
























