雨の公衆電話
- カテゴリ:日記
- 2026/03/13 20:09:00
土砂降りのなか、緑の箱だけが浮いていた。
水滴のヴェールに包まれた、孤独な潜水艦だ。
水滴のヴェールに包まれた、孤独な潜水艦だ。
ポケットで文鎮と化したスマホを弄る。
デジタルが死んだ街で、俺は硬貨の重みを頼りに歩いた。
デジタルが死んだ街で、俺は硬貨の重みを頼りに歩いた。
錆びついたドアを引くと、湿った安堵が鼻をつく。
受話器を上げれば、そこにはまだ「生きた」音が流れていた。
絶え間ないノイズ――それは機械の呼吸だ。
受話器を上げれば、そこにはまだ「生きた」音が流れていた。
絶え間ないノイズ――それは機械の呼吸だ。
指先が覚えている番号を、重いダイヤルに刻み込む。
10円玉が落ちる音は、過去へと続く通行料。
呼び出し音は、冷え切った鼓動のように俺の耳を打つ。
10円玉が落ちる音は、過去へと続く通行料。
呼び出し音は、冷え切った鼓動のように俺の耳を打つ。
「……俺だ」
ガラスの向こう、雨に滲むネオン。
この薄暗い箱のなかだけが、世界で唯一の、嘘のつけない場所だった。
この薄暗い箱のなかだけが、世界で唯一の、嘘のつけない場所だった。
受話器を置けば、また沈黙が戻る。
だがそれでいい。
雨音がすべてを洗い流し、誰も俺を追えなくなる
だがそれでいい。
雨音がすべてを洗い流し、誰も俺を追えなくなる
























