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Sian

2月自作 (怪物)「夢見の警視」 

 親愛なる我が秘書よ、誕生日おめでとう。 すまんが、おまえが王宮へ出かける前に、ちょっと聞きたいことがある。 あの獣の話をしてくれないか? 最近どうにもいやな夢を見て、それが以前、おまえからちらと聞いた、あの獣のこととそっくりだと思ってな。 どうか教えてくれ。 ほら、部屋の四隅に潜む黒い獣の話だ。 ...

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1月自作 (雪) 「黒のトンネル」2

「それはちょっと、今すぐには無理ね」   乙女はずっと以前から予想していたことに答えるように、淡々と返し、肩をすくめた。  「私がエティアの王宮で見た記憶。国王が死んだときの、真実の光景。それをだれにも、口外されたくないのでしょう? 黒き衣のフリバトール」  赤い双眸が男を...

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1月自作 (雪) 「黒のトンネル」

「まさかそんな。陛下が自らなんて、一体どんな理由で? ありえない。それは絶対ありえない……!」   赤毛の騎士が叫ぶ姿を、老婆アドウィナは無表情にみつめた。  鐘が鳴る。 連日の降雪で冷え切った王宮の回廊で、荘厳なる音色が響き渡る。 勝利の音が、老婆の背...

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12月自作 『鐘・刀』「見者アドウィナ」後編

   かくて赤毛の騎士はエティア王室の名のもとに、見者アドウィナを招聘したのであった。 「不死を極めたのなら、蘇生の技などもご存じなのでは」  騎士は始めに望みをかけて、黒衣の老婆にそう聞いたのだが。それはできぬと、アドウィナは顔の皺をさらに深めて、同情のまなざしを返してきた...

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12月自作 『鐘・刀』「見者アドウィナ」前編

 こんこんと白い雪が降る中、大広場に弔いの鐘が鳴り響く。  正面にそびえる王宮から聞こえるそれは、悲痛な悲鳴のようだ。  嗚咽のごとき、重く低い音色。聞けば聞くほど憂鬱になる――   西の大国エティア。 王都エルジにて王が急逝したのは、王都で雪まつりが開かれた直後のことであった。...

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