12月自作/ 「鍋 『団欒』
- カテゴリ: 自作小説
- 2010/11/23 02:19:02
もうちょっと。
あともう少し……
私が指先をめいっぱい伸ばす。
愛しの彼まであと五ミリ。
ほら、頑張るのよ私。
もう……ちょっと……
――――ッ。
また来た。
どうしてこの子はいつもいつも私の邪...
もうちょっと。
あともう少し……
私が指先をめいっぱい伸ばす。
愛しの彼まであと五ミリ。
ほら、頑張るのよ私。
もう……ちょっと……
――――ッ。
また来た。
どうしてこの子はいつもいつも私の邪...
教室の中にチャイムが響く。
ガランとした空間に整然と机が並ぶ。
南 リカは一人机に座り一枚の紙を眺めていた。
『 10月より冬季制服着用のお知らせ(衣替えについて) 』
「はぁ……」
朝このプリントが配られてからリカはずっとこの調子で深いため息を繰り返していた。...
「ねえ。覚えてる…?」
電話の向こうから漏れる嗚咽が心地よいなんてどこまで嫌な奴なんだ私は。
自分にひどく嫌悪しながらも口は勝手に言葉をするすると吐き出す。
「昔もこんな事があったよね。その時も君はそんな風に……」
そこまで言うと、続く言葉を待たず電話口...