3月自作/神社 『とある夜、神社の隅っこで』
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/02/27 23:05:41
昔、祖母は人は死ぬと星になって、生きてる人を見守ってくれると話してくれた。
幼い僕が信じた、ごくありふれた、ありえない話だった。
往生際の悪い雪も溶けはじめ、確かに近づいてくる春を肌で感じる、そんなとある夜。
町外れの高台にある古い神社を目指し、月明かりを頼りに僕は長い石段を登っていた。あの神社から...
昔、祖母は人は死ぬと星になって、生きてる人を見守ってくれると話してくれた。
幼い僕が信じた、ごくありふれた、ありえない話だった。
往生際の悪い雪も溶けはじめ、確かに近づいてくる春を肌で感じる、そんなとある夜。
町外れの高台にある古い神社を目指し、月明かりを頼りに僕は長い石段を登っていた。あの神社から...
―― 某探偵事務所 にて
少年探偵「おい、執事」
執事「お呼びでございますか?お坊ちゃん」
少年探偵「お坊ちゃんはやめろ。僕は探偵だ」
執事「これは失礼をば」
少年探偵「ふむ。それはいいとして、最近は平和だな」
執事「結構なことでございます」
少年探偵「最後に僕が事件を解決したのはいつだっ...
二人のあいだでそのときしていた何かの話題にふと区切りがついて、会話と会話の隙間ができた。その間、何度か解け掛けの雪を選んで踏んだ。パシャと弾ける様子が愉しかった。それから会話を再開した。そういえばさ、昨日のホラ、あたしがカラオケで歌った曲あるでしょ?彼はこっちを見ないで短く、うん、とだけ答えた。あの...
『君はもっと泣くべきだ』
アイツは部屋にやって来ては、いつも勝手なことを言った。
その日、仕事から帰った私は無言で冷蔵庫のドアを開け冷えた氷を透明なグラスに入れる。
いつも前ぶれもなくやって来ては散々勝手をしていったアイツ。
それなのにどうしてだか、ちっとも嫌じゃなかった。
そんなズル...
もぐもぐもぐもぐ。
これはミカンを食べる音である。ミカン、というのが柑橘系果物であるところのオレンジではなく、純粋可憐ないたいけな小学生女子の名前だったりすると、ホラーでスプラッターな場面と相成る。もちろん、食べられているのは小学生女子などではなく、オレンジ色の球体果実なのだが。つまりミカンだ。
「...