石畳のメモワール ―琥珀の毒―
- カテゴリ: 日記
- 2026/02/14 07:38:14
霧が、墓石の間を這っている。
名前も読めない 異国の文字が
まるで亡霊のように 白く浮かび上がる。
海からの風は 塩辛く そして冷たい。ポケットに手を突っ込み 錆びついたコインを弾く。
表か、裏か。
俺の人生に 意味のある賭けはもうない。
ただ 古い石畳だけが 靴底の重みを知っている。ボーッ、と。
...
霧が、墓石の間を這っている。
名前も読めない 異国の文字が
まるで亡霊のように 白く浮かび上がる。
海からの風は 塩辛く そして冷たい。ポケットに手を突っ込み 錆びついたコインを弾く。
表か、裏か。
俺の人生に 意味のある賭けはもうない。
ただ 古い石畳だけが 靴底の重みを知っている。ボーッ、と。
...
今の世の中を見てみろ。
歩きながら手元の小さな箱を覗き込み、顔も知らん誰かの機嫌を伺って、指先一つで人を呪い、あるいは群れて安心している。
それが君たちの言う『進歩』なのか?効率、タイパ、コスパ……。
君たちは、損をしないことばかりに血眼になっている。
だがな、人生で本当...
お互いを認め合う、と言えば聞こえはいい。
だがそれは、単に相手に踏み込まない、責任を取らないための言い訳ではないのか。
嫌なものは嫌だと言い、ぶつかり合い、血を流してでも相手を理解しようとする。
それが本当の『人間付き合い』というものだ。
傷つくのを怖がって、薄笑いで距離を保つことが、君たちの言う平...
タイパだか何だか知らんが、君たちはそんなに急いでどこへ行くんだ?
無駄を省いて、余った時間で何をする? また別の、中身のない効率を探すのか。
人間が本当に大事なものに気づくのは、得てして無駄だと思える時間の中、
じっと孤独に耐えている時だ。
効率よく生きることは、魂を薄くすることだと、なぜ気づかん...
石畳を叩く靴音が
深夜の路地裏に、規則正しく響き渡る
それは、誰にも届かない
俺だけのレクイエムだ振り返れば、ガス灯の影が長く伸び
追いかけてくる過去を、静かに引き離していく
一歩ごとに、おまえの記憶を
この冷たい地面に、刻み捨ててきたつもりだった不意に吹き抜けた夜風が
喉元の熱を、容赦なく奪い去る...