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Sian

10月自作 (月見)「玻璃の珠」前編

作るのは簡単なのです。 思いっ切り、この白銀の管を吹く。 ほんとうにただそれだけで。 種も仕掛けもございませんよ。 1たす1は2であるように、夜が明ければ朝が来るように、 これは当然の結果なのです。 管の先にまっかに溶けたガラスを付けて、思い切り吹く。 そうすれば、しゃぼんのように膨ら...

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9月自作(病気) 「出会いの日」2/2

  それから俺は、ただただ呆然と、部屋が子供のもので埋まっていくのを眺めるばかりだった。 組み立て式の天蓋付きベッド。ちなみに天蓋は花模様の豪華なステンドグラス。子ども曰く、芸術家の手による一品もの、らしい。  巨大な十五階建てのドールハウス。たぶんこれは白鷹の城をそのまんまモデルにしてる...

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9月自作(病気) 「出会いの日」1/2

「エリク。エリクや」   白髪の三つ編み、白髭ぼうぼうの俺のお師匠さまが、黒き衣の袖をひらひらさせて手招きする。 目が二つの山になってて、口はゆるやかな谷。 「あー、お帰りなさい、お師匠さま」  警戒しながら俺は頭を下げた。 ……やばい。 この表情...

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自作8月 精霊流し「夏の夜のお茶」2/2

 シノブの両親はこの世にいない。母はシノブが生まれてすぐに亡くなり、父は小学生のころ、海外へ仕事に行って事故で死んだ。 母は家に籍を入れる前に鬼籍に入ってしまったので、この家の、「お盆に帰ってくるシステム」に加わることができなかった。それでもたまに、ふらっと会いに来てくれる。しかし父親はついぞ、やっ...

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自作8月 精霊流し「夏の夜のお茶」1/2

今宵の空は晴れやかで、白鳥の十字星がはっきり見えた。 それでも、空気中の塵は少なくないのだろう。白鳥が遡上している天の河は、輪郭すらおぼろげで、織姫と彦星をへだてているものは何もないようだ。 縁側で足をぶらぶらさせるシノブは、空から手元のスマートフォンに目を移した。 幼なじみのタクミからライン...

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