10月自作/温泉「作戦名『古きを温めろ』」2/3
- カテゴリ: 小説/詩
- 2012/10/31 21:37:52
納得はいかないが、この混浴というものは男女が一緒に入るタイプの浴場らしい。
「知りませんでした」
結局、湯船から出るのも恥ずかしくて、三人並んで温泉に浸かった。願望との間にロボットを挟んだのは、ささやかな抵抗だったが、ロボットは隠したりしないので目のやり場に困る。
「美木君、さっきからちらちらヤ...
とりあえず、現在は活動縮小中。
納得はいかないが、この混浴というものは男女が一緒に入るタイプの浴場らしい。
「知りませんでした」
結局、湯船から出るのも恥ずかしくて、三人並んで温泉に浸かった。願望との間にロボットを挟んだのは、ささやかな抵抗だったが、ロボットは隠したりしないので目のやり場に困る。
「美木君、さっきからちらちらヤ...
世間は今まさに伝記ブーム。
商業利用が許可されたタイムマシンで、過去の偉人に『実際に』密着して書かれた伝記が大ヒット中。作家志望だった私にもチャンスが巡って来た。
私は世界を救った偉人、高畑願望(のぞみ)の伝記を書くため、二十一世紀後半の日本に移動し、美木と名乗り、未来の技術を使って、彼の研究...
数日後。あの男が僕の目の前に現れた。大きなテーブルの上に仰向けで、両手両足を開かれた状態で拘束され、目隠しと口枷をしている。この部屋には僕と男、それから協力者の青年だけだ。時計が午後九時を指す。この男に『復讐』出来る状況に、微かに体が震える。僕は最初の道具を手に取った。青年が調べた妻の受けた拷問の...
それはあまりにも突然のことだった。
妻と娘が殺されたという知らせを聞いた時、目の前が真っ暗になった。あれから、ずっと長い夜の中を彷徨っているような気分だ。妻は目の前で娘を殺された上、長い時間痛めつけられ、遺体はとても見られない状態だった。犯人は捕まり、裁判は五年も掛かったが、なぜかそいつは何の罪...
担当編集様へ。
私が二十一世紀に来て、半年が過ぎました。そちらとは違って、季節の移り変わりが目を、耳を、肌を楽しませてくれるこの時代は、すでに私にとって日常になりつつあります。今は夏が終わりに近づき、鳴く虫の声も変わり、少し肌寒くなってきましたが、なんでも新しいことを始めるには丁度良い時期という...