スイカおとこ (3)
- カテゴリ: 自作小説
- 2017/08/07 22:55:09
おなこはJ・ポップをボリュウムいっぱいの音で聴き、軽トラのハンドルを片手で握りながら助手席に横たわる変なスイカを見た。
「おかしな形のスイカだし、キュウリをスイカの実に接木(つぎき)するなんて何を考えているのか」と、半分呆れながらスイカとキュウリのミックス味を想像していた。
「でも、キュウ...
おなこはJ・ポップをボリュウムいっぱいの音で聴き、軽トラのハンドルを片手で握りながら助手席に横たわる変なスイカを見た。
「おかしな形のスイカだし、キュウリをスイカの実に接木(つぎき)するなんて何を考えているのか」と、半分呆れながらスイカとキュウリのミックス味を想像していた。
「でも、キュウ...
人間のオンナの名前はおなこ。
高校を卒業して二年、父と母の手伝いをしていて畑のことしか知らない、どちらかというと内気な田舎娘だった。
畑には父から与えられた軽トラを一人で運転して通っていたが、10分もかからない道のりだったのでいつも遠回りをしてガソリンのムダ使いをしていた。
「ラララ、脱ぎ捨て...
暑い夏を前に、ムッとする田舎の畑で育ったおとこはスイカだった。
おとこは人間と街のことは何も知らない田舎育ちで、虫とか野鳥が友達で繁殖と喰うことしか頭になかった。
食べるといってもスイカなので水分が主食、飲むと言ったほうが正確だろう。
ただ繁殖能力は強く人間の男性性器と同じものをもっていて、人間の...
鬼界がイヤになった若い赤鬼と青鬼は人間界に逃げ込むことにした。
人間界に行くには三途の海を渡らなければならいが、渡し船の船長の黒鬼を秘伝の酒で酔わしてうまく騙し黒船に乗った二人だった。
人間界の入口である賽(さい)の浜辺はもうそこに見えていた。